イメリス瓦の特徴について
フランスと日本では気候風土のちがいにより、建築物の構造・躯体に差異があり、それに伴い、屋根の施工方法も異なります。 そこで、イメリスTCでは、『標準施工ガイド』を作成し、日本国内の気候風土・建築様式に適した施工方法をご案内しております。 但し、建築物の構造および施工エリアにより、特殊な施工を必要とする場合がございます。屋根勾配、瓦の緊結方法、また漆喰を 使った納めに関して等、事前に弊社、およびイメリスTC代理店・取扱店もしくは屋根専門業者にお問い合わせ頂きますようお願い致します。 また、屋根工事の仕様につきましては、本施工ガイドならびに国土交通省告示第1458号・1454号に準じた方法にてお願い致します。
● 美しい国フランス
フランスはとても美しい国です。整然としたパリの街並みは、溜息の出る程の美しさです。しかし、美しいのはパリだけではありません。観光客はれることのない小さな田舎の村でも、建物には統一感があり、周りの風景に調和し、美しい景観を保っています。
フランスでは、景観保全が法律で定められています。1962年に、歴史的な建物をその周辺の環境と共に保存する目的で制定され、当時の文化相であったアンドレ・マルローの名をとって、マルロー法と呼ばれています。当初は、歴史的・文化的に価値のある建物が対象でしたが、やがて一般の古い住宅にも適用されるようになり、国民全体にこの考え方が浸透しています。 日本でも、以前から文化財保護法や、京都・金沢には景観条例があり、また2004年には景観法が制定されましたが、残念ながら一般の住宅地では反映されていないのが現状です。
● 大都会パリ⇔それ以外の田舎街
さて、フランス人が、こう言うのを耳にしたことがあります。 『フランスは2つのエリアから成っている。それは・・・パリとそれ以外のエリアだ。』 この言葉の意味は・・・。パリは言わずと知れた大都会。しかし、ちょっと離れると、まるで別の国に辿り着いたかと錯覚するような、 のどかな田舎の風景が広がります。
フランスにはパリ以外にもリヨン・マルセイユ・ニースのような、大きな町がいくつかありますが、 基本的には、人口5,000人以下の小さな町や村がほとんどです。
● 石造りのパリの屋根
建物もパリと田舎街では風情が異なります。例えば、パリでは、メインの通りに面した建物はARDOISE【アルドワーズ】と呼ばれる黒色の石を薄く切って重ね合わせた屋根材で統一されています。
● パリ以外の田舎街の屋根
一方、小さな田舎街や村の屋根は、エリアによって様々です。一部では、石や木の屋根、また、日本の茅葺屋根のように、ライ麦やえにしだ等の植物で葺かれた屋根もありますが、大半は、粘土製の瓦が使われています。あまり知られていませんが、フランスでは粘土瓦の採用率は8割以上ですので、地方で目にする建物は殆どが瓦屋根と言っても過言ではありません。景観保全の意識が国民レベルで浸透していますので、安価ではありますが、板金、セメント、また人口素材(アスファルトファイバー製等)の屋根材はフランス人には受け入れられず、瓦屋根の美しい景観が保たれています。
● 豊富な製品バリエーション ~各地方の気候風土に合った瓦造り~
パリ以外の街や村を一括りに表現してきましたが、フランスの国土は日本の1.5倍もあり、 北部と南部また、東部と西部では、気候風土が異なります。北にはイギリス・オランダ・北欧諸国があり、東はドイツ・スイスまたアルプス山脈に面し、西は大西洋を臨み、南はイタリア・スペインと地中海を共有。そんな多様な文化背景にある国です。 その為、長い歴史の中で、其々の気候風土に適した、多様な形状・色合いの瓦が造られてきました。例えば、南部では、半丸形のカナル瓦やS形瓦、一方北部では、平らなプレート瓦やF形瓦、また東部ではアルプスの山小屋でも使用可能な寒冷地対応瓦が製造されています。
● イメリス瓦は欧米住宅のスタイル全てを網羅
"フランスの瓦"とい聞くと、南欧タイプの可愛らしいカナル瓦やS形瓦をイメージされる方が多いかと思いますが、上記のような豊かな立地条件の為、イメリスTCは、フランス全土13カ所の製造拠点で、60種類・100色以上の瓦を製造しており、周辺ヨーロッパ諸国の屋根の意匠を網羅できます。
● アンティーク調エイジング加工
イメリスTCは、景観保全の観点から、屋根の葺替えや建増しをした際に、瓦だけ新しく見えて周囲の風景から浮いてしまわないように、経年美を意識した色づけやエイジング加工を施した本格的なアンティーク調瓦を多数製造しております。 ヨーロッパの美しい建物を再現できる表情豊かな製品で、本物志向のお客様にご満足頂ける逸品です。
● 自然素材
イメリス製フランス瓦は、自然素材の粘土を形成し、エンゴーブと呼ばれる土や砂を主原料とする化粧土にて色づけをした後、 高温で長時間焼成して製造されていますので、変色、変質や剥離が起こりにくく、長期にわたり美しい外観を保つことのできる 高品質の製品です。
● コストパフォーマンス
また、他の材質や人口素材の屋根材と比較すると、イニシャルコストは掛かりますが、耐久性が高い為メンテナンスのコストが殆どかかりませんので、長期的に見ると、コストパフォーマンスの高い製品です。